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就学前  ·  2018/06/03

早期教育の是非

2020/11/27 加筆修正

乳児期からの早期教育はすべきか否か。昔も今もハッキリした結論も出ず論争はつきません。

 

まず私の結論から申しますと、早期教育は必要ではありません。少なくとも、やらなかったからといって、将来に重大な影響を与えるようなものではない、と考えます。

 

じゃあ、あなたのところでは早期教育をしなかったんですね、と問われると、申し訳ないですがYESとは答えられません。そこそこ早期教育には熱心だったんです。

 

それなら早期教育も役に立ったんじゃないの、と言われそうですが、正直なところ、役に立ったとは思ってません。しかし何の効果も無かったという証明もできないのです。

 

そこで今回は、私達が実際に早期教育で行ったことを紹介します。フラッシュカード、ドッツカード、絵本の読み聞かせの3つです。そしてそれらに対する私の評価と、早期教育に対する現時点での最終意見を述べたいと思います。

 

  1. フラッシュカード
  2. ドッツカード
  3. 絵本の読み聞かせ
  4. 早期教育、やっていい人ダメな人

フラッシュカード 

 

右脳教育の代表的教材だが

早期教育を代表する教材です。食べ物、動物、植物、生活用品などなど、あらゆる分野のものの名称と絵が書かれているカードを、フラッシュの名の通り1秒にも満たない速度でめくって見せていくものです。目的は右脳開発と、これから覚えていく母国語たる日本語に対する先取り学習です。

 

右脳開発というのは、早期教育において頻繁に語られるキーワードのようなものです。そして右脳を開く方法は大量な情報を高速でインプットすることとされています。

 

左脳が計算や理論を処理し、右脳がイメージや直感を受け持ちます。これは調べれば出てくる話で真実でしょう。けれども高速大量が右脳開発になるのかどうか、いろいろと調べたんですが、万人を納得させられる確たる証拠が見つかりません。それでもとりあえず正しいとしておきましょう。そこからが問題です。早期に右脳を開発する目的は何でしょうか。

 

右脳を使う勉強法の例

右脳を使う勉強法を、ここでは2つ簡単に紹介します。一つは覚えたい情報を紙1枚にまとめ、位置で覚えていくやり方です。マインドマップはそのひとつです。色分けされていて視覚的にとらえられるようになっています。イメージを利用する右脳型学習と言えます。

 

もう一つは、算数の1行問題をその仕組みから完璧に理解し何度もくりかえすことで、最終的にはひと目でイメージできるレベルまで落とし込んでいく方法です。簡単な思考部分は省略することで、難しい思考に頭を回せるのです。これは将棋でも当てはまるやり方です。簡単な詰め将棋や手筋をたくさん覚えることで読みを省略することができ、より難解な局面を深く考えられます。これもイメージを利用するので右脳型学習です。

 

メリットが見えない

では、早期にフラッシュカードを大量に覚えることが将来の学習につながるのでしょうか。少なくとも私のオススメする上記2つの学習法において確実に役に立つとは言い難いようです。

 

では、英単語を覚える上でなら役に立つでしょうか。そんなに高速大量に覚えられるなら、英単語も同じやり方でやれると素晴らしい。しかし、そういう話も聞いたことがありません。乳幼児期に開いた右脳回路を利用できないなら、無理して右脳開発しなくても良い気がしますし、実際のところ右脳回路が開かれているのかすらわかりません。

 

そもそも先取り学習と言っても、カードで出てくる単語のほとんどは、生活していく上でいずれ知ることになる情報ばかりです。先取りのメリットはハッキリとはわかりません。母国語でない英語なら、先に単語をインプットするのもアリかもしれないけれども、記憶していられるのか保証できません。

 

弊害?

弊害があると言われていることも一応知っておくべきでしょう。フラッシュカードは完全受け身の学習法です。自主性を無視しているので、それが育たないと言われています。これに関しては、ちょっと異論があります。教育は年齢が低いほど受け身になるのは仕方ない面があります。後ほど出てくる絵本の読み聞かせも最初は100%受け身です。しかし、そこから受け身の度合いを減らし、最後は自主性に任せられるようにするのが理想だし、それは十分可能です。だから受け身の学習だからダメという批判は当たりません。

 

 

ただ自主性がどうのこうのではなく、実際に使ってみた私がフラッシュカードを好まなかった理由は、感覚的というか好みによるものでした。何だか機械的というか人間味が感じられないところに違和感を覚えたからです。例えが的確かわかりませんが、工場のラインで製品を生産している感覚が嫌でした。右脳を育てるはずのフラッシュカードを、私の右脳が拒否したのは皮肉な話です。

 

 

ドッツカード

白い正方形の厚紙に赤い点が打たれているカードです。私の持っていたのはドーマンメソッドの正式なものでした。乳児の頃は目がよく見えないとのことで、大きなドットのものを自作して見せました。

 

↓自作ドッツ(10まで) 

自作のドッツカード 

これはフラッシュカードに比べるとかなりゆっくりと見せました。数字のインプットのみで、四則演算をやったことはありません。そしてそのインプットもそれほど熱心にやっていません。私の気が向いたときにやった程度です。 ドッツをやるのはあまり好きではありませんでしたが、嫌というほどでもなく、手作りドッツにはちょっと愛着があったのでやめなかった、というのが正確です。

 

さて、このドッツカードですが、熱心でなかったこともあり、それほど効果があったとは思っていません。少なくとも、これによって計算力が高くなったとは考えられません。小学校以降、単純計算力は100マス計算や計算カードもやらせました。しかし、中学受験での計算ではうっかりミスが多く、なかなかに苦しみました。そして困ったことにそれは高校まで続くのです(テストで満点を逃した原因を聞いたら小学校レベルの計算ミスでした。2~3度ありました)。

 

一方、数学の思考問題では数の感覚が必要なことが多いのですが、この感覚がドッツによってついたものなのかどうかがわかりません。個人的にはドッツは関係ないと考えています。算数、数学は考えた量に比例して実力が付きます。息子には小学生のときに算数を徹底的に考えさせましたから、その課程で数の感覚も身についたと思っています。 

 

しかしながら、息子は数学が得意科目だったことを考えると、絶対にドッツの効果が無かったかと問われたときに、ゼロだったとは言い切れません。ただし、ゼロではないだけで1~2%だと思いますが。それでも、また子育ての機会があるとしたら、ドッツカードはおそらく使うでしょう。熱心にやっていなかったこともあり、あの程度の労力で役に立つ可能性がわずかでもあるなら、やはりまたやると思います。

 

ちなみに、妻は私よりもドッツカード推進派です。あれのおかげで2才で100まで数えられたと言っています。それってすごいらしいんですけど、だからどうした、というのが率直な感想です。

 

どちらかが69で、もう一方が70です。

この違いが分かることがすごいと思うのか、どうでもいいととらえるのか。

 

そもそも本当に分かるのかw

 

 

絵本の読み聞かせ

早期教育の中では一番熱心にやったものでした。やっていて楽しかったからです。首が座ってから、膝の上に乗せて読みました。

 

しろくまちゃんのほっとけーき、だるまちゃんとてんぐちゃん、ぐりとぐら、あんぱんまんなどがヘビーローテーションでした。ありがたいことに図書館が遠くなかったので頻繁に借りました。

 

1才半の時には、ボタンを押すとアンパンマンの声でしゃべってくれる50音の本型玩具を与えておくと、いつの間にか(2才半の頃には覚えていた)勝手にひらがなを覚えてくれたので、3才くらいからは少しずつ少しずつ自分で読ませるようにしていきました。その後も絵本はたくさん読んでやりましたが、絵が少なくなっていくにつれて、1人で読む率を上げるようにしていきました。

 

これは早期教育が成功した部類だとは思います。でも早ければ早いほど良いとは言えません。最終的に読書習慣がついてこそ成功と呼べると思います。我が家の場合は、私達夫婦の特に私が読書習慣がなかったため、息子も次第にそうなりました。もっと家族で読書の時間でも作るようにしておけば、と後悔しています。特に受験で忙しくなると、読書時間から削られました。大学生になった現在も、大学生の読書時間アンケートの通り、ほとんど読書をしません。(医学書など大学の勉強の本は読んでますが、小説や新書を読まないのです。)それでも振り返ると、短いながら本をたくさん読んだ時期はありましたし、今でも活字を読むことに抵抗はないようですから、まあ良しとしましょう。何事も完璧にはいかないものです。

 

 

早期教育、やっていい人ダメな人

以上、3つの代表的な早期教育を挙げました。 我が家ではおもちゃで遊んでいる感覚でやっていたことが思い出されました(もちろん、普通に積み木やお絵かき、パズルなどでも遊びました。)。長続きした基準は、親子で楽しんだかそうでないかでした。息子は結構何でもじっと見てくれましたから、そこは問題ありません。だから結局、親が楽しかったかどうかです。親が楽しめなかったフラッシュカードは長続きせず、どちらとも言えなかったドッツカードはそれなりに続けられ、絵本の読み聞かせはずっと続けられたのです。

 

そして振り返って思うことは、そんなに早期教育に期待していなかったんだな、ということです。遊びとして、親子のふれあいのツールとして利用し、それが少しでも将来的に役に立つならもうけもの、くらいに考えていました。悲壮感はゼロでした。

 

結論として思うことは、早期教育は心の余裕がないとやってはいけないものです。 楽しんでやれるならば、早期教育はしてもいいと考えます。

 

しかし、少しでも焦ったり強迫観念に駆られるようならやってはいけません。おそらく弊害が多い。例えば今回、ドッツカードについて、ほんのわずかに(1~2%)役に立った可能性があると書きました。それを面白そうと感じ、やってみようと思うなら構いません。しかし天才になるチャンスかもしれないものだから絶対にやらないといけない、と考えるような人はやるべきではありません。

 

まさにそこが早期教育の気に入らないところです。「早期教育をしないと、将来伸びない」という考え方が少なからずあると思います。特に気に入らないのは、1才から始めるのは遅いとか、3才までに~をしないといけないとか、脳の成長のピークは~才、のように、タイムリミットを設定して親の焦りや不安を助長するやり方です。そんなものは儲けんがための売り文句にすぎません。

 

もし早期教育に破格の効果があるならば、もっとそういう報告がなされていてもいいのではないでしょうか。ブログ全盛の現在です。受験に成功した親御さんから、早期教育絶賛の言葉がそこら中で飛び交っていてもいいはずです。でも現実には、東大生の幼少期の習い事でも早期教育出身者は未だ多数派ではありません。

 

教育では「~しないといけない」と思いこむことは危険です。イライラしてお子さんに接して、勉強が嫌いになってしまうことほど恐ろしいことはありません。勉強を嫌いにさせるのは絶対に避けるべきです。

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