塾なしで医学部に入れる
地頭錬成法
  • TOP
  • 体験記
  • 暗算
  • お問い合わせ
小学校  ·  2020/11/02

全体像の見えない文章題は分割処理して問題再読

「赤い花が4本あります。青い花が7本あります。花は全部で何本ありますか。」

 

「庭にハトが5羽います。そこから2羽飛んでいきました。ハトは庭に何羽いますか。」

 

これらは、漢字は別にすれば、1年生レベルの算数文章題です。これをできない2年生はいません。ほぼ全員が理解できます。

 

ところがこちらだとどうでしょう。

 

「3人を乗せたバスが出ました。1つ目のバス停で2人おり4人乗りました。2つ目のバス停では5人乗ってきました。3つ目のバス停は通りすぎ、4つ目のバス停で1人乗り3人おりました。バスには何人乗っていますか。」

 

2年生のみならず、3年生でもつまづく人がいるでしょう。

 

ひとつひとつの要素は最初に挙げた問題と変わりません。足し算と引き算しか出て来ず、考え方が難しいところはないからです。にもかかわらずつまづいてしまう。

 

この原因は、順を追って考えれば簡単なのに、一気にまとめて考えてしまうことにあります。そもそも式が複数必要な問題が苦手というか、どうすれば良いか対処法を知らないのです。今回はその対処法を見ていただきます。

 

  • 例題1
  • 例題2
  • まとめ

例題1

6人が公園で遊んでいます。新しく3人遊びにきました。その後5人が帰りました。公園で何人遊んでいますか。

 

これくらいだと全体をイメージして

○○○○○○←○○○

  ↓

○○○○○

となり、式1本で済ませられます。    

6+3-5=4   

 

ただし、立てた式が偶然合っていたということも珍しくないでしょう。数字が3つしかなく、最初6で、3人来たとあるから+、5人帰ったとあるから-かな、とすればできてしまうからです。

 

偶然かどうかは、もう少し手数が必要な問題になればすぐに判ります。例えば、「5人が帰りました。」を「来た数の2倍の数が帰りました。」と変えれば、おそらく難しいでしょう。

 

それは実は、全体を一気にイメージできた人にも言えることです。本当に力があれば、かなりの難問でも全体像をざっくりイメージしてから細かいところに手をつけていくことができます。しかしそこまでの実力でなければ、手数が増えるとやはりイメージできずに解けなくなってしまいます。

 

これに対応するには、イメージをもう少し分割して、ひとつひとつの処理を丁寧に行っていく必要があります。この例題なら、3人が来たところと5人が帰ったところを分けて考えてみることです。

 

一歩一歩、式を一本ずつこなして積み上げていくようにすれば、着実に正解に近づいていきます。

 

その上で慣れてくればまとめてイメージし、式もまとめて処理できるようになります。難しければ分割。余裕があればまとめる。これを実践していけば、だんだんと実力はついていきます。

 

例題2

「3人を乗せたバスが出ました。1つ目のバス停で2人おり4人乗りました。2つ目のバス停では5人乗ってきました。3つ目のバス停は通りすぎ、4つ目のバス停で1人乗り3人おりました。バスには何人乗っていますか。」

 

冒頭の問題です。まとめてイメージし、ひとつの式で仕上げることもできますが、ここでは細かく分割して処理していきましょう。

 

・1つ目のバス停

バスには3人乗っています。2人おりました。ここまでをイメージして式を立て、人数を出してください。

 

〇〇〇→〇〇

 

3-2=1(人) 

 

続いて4人乗りました。同じようにそこまでの人数を出してください。

 

〇+〇〇〇〇

 

1+4=5(人)

 

1つ目のバス停の乗り降りがおわり、6人が乗っています。この処理を考慮すると、問題の一部が短くできます。

   ↓

「5人を乗せたバスが1つ目のバス停を出発しました。2つ目のバス停では5人乗ってきました。3つ目のバス停は通りすぎ、4つ目のバス停で1人乗り3人おりました。バスには何人乗っていますか。」

 

このように、処理が終わった部分を読み換えながら問題文を再び読みます。繰り返し読むことで、ミスも減るし全体像もよりクッキリと浮かびやすくなります。この作業により、最初は全体像をイメージできなかった場合も次第にイメージしやすくなってきます。

 

・2つ目のバス停

5人乗ったバスが次のバス停に着くと、5人が乗って来ました。

 

〇〇〇〇〇←〇〇〇〇〇

 

5+5=10(人)     

 

2つ目のバス停を過ぎて10人が乗っています。問題もこうなります。

 

「10人を乗せたバスが3つ目のバス停を通り過ぎました。4つ目のバス停で1人乗り3人おりました。バスには何人乗っていますか。」

 

もう全体像が見えない人はほとんどいなくなります。でもここまで来たら、最後まで細かい分割処理をしておきましょう。

 

・4つ目のバス停

1人乗りました

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇←○

10+1=11(人)

 

続けて3人おりました。

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇○→〇〇〇

11−3=8(人)

 

最終的な答えは8人でした。長い問題でも細切れにして処理していけば最後は簡単な問題になることがわかりました。今回は全て細かく分割しましたが、まとめてやれるのならば能力に応じてやれば良いのです。ただ私は、全部が全部まとめてやるのはオススメしません。私はバス停ごとに処理します。1バス停につき1つの図・式ということですね。

 

このやり方のポイントはマメに問題を読み返すことです。算数的に難しい処理は要求されていない文章題でも、苦手という子供はほとんど問題文が理解できていないのですから、理解できるまで問題文を読むのが当たり前です。意味がわからない問題はギャンブルです。わからないまま合ってしまうこともありますが、確率的には良くない。何より、解いた爽快感がありません。算数の醍醐味は問題を制圧しての完全試合です。そのためには問題の完全理解が不可欠です。

 

まとめ

  • 問題文をよく読んで全体像をつかむ。
  • 全体像がつかめないときは分割し、わかるところを処理する。
  • 処理した部分を読み換えながら問題文を繰り返し読む。それを全体像をつかめるまで続ける。

算数文章題を解くためには、算数的センスは別として、全体像を見る俯瞰力、イメージする想像力が必要となることがわかっていただけたと思います。それらの能力は記憶力を伸ばすことでもかなり補えます。考える力をつけるには記憶力も大事なのです。算数と記憶もの、バランス良く練習してください。

 

関連記事

記憶力は考える力の補助になる

地頭が良くなる勉強4選

tagPlaceholderカテゴリ: 算数, 2020年11月, 文章題, 低学年

コメントをお書きください

コメント: 0

カテゴリ

算数  計算 理科

勉強法  教育論 教育方針 

中学受験本番

英語  数学 定期試験

 

人気記事

防衛医科大学校入試体験記

算数の先取り学習をどう進めたか

子供の文章力が上がる基本のルール2つ

ゲームをやらせたくない親の策略 

地頭がよくなる頭脳ゲーム10選

東大か医学部かでギリギリまで悩む

記憶の回路を開く!日本地図を県番号込みで覚える

算数完成

unoだけではもったいない!もっと頭を使うカードゲーム10選

算数を考えに考え抜いた結果こうなった

月別アーカイブ

2022年1月

2021年10月

2021年2月

2021年1月

2020年12月

2020年11月

2020年10月

2020年9月

2020年8月

2020年6月

2020年5月

2020年4月

2020年3月

2020年2月

2020年1月

2019年12月

2019年10月

2019年9月

2019年6月

2019年4月

2019年3月

2019年2月 

2019年1月

 

にほんブログ村 受験ブログへ
にほんブログ村

概要 | プライバシーポリシー | Cookie ポリシー | サイトマップ
ログアウト | 編集
  • TOP
  • 体験記
    • 大学受験体験記
  • 暗算
  • お問い合わせ
  • トップへ戻る