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大学受験  ·  2020/01/17

センター試験体験記(共通テストのご参考にも)

2020/12/08 加筆修正

センター試験会場

※2021年から大学入試共通テストが始まりますが、まだ実質的にセンター試験からの大きな変更点がないようですから、センター試験を共通テストに読み替えることで参考にしていただけると思います。

 

12月にやっと、東大(理科1類)ではなく医学部に決めた息子。ただし受験校はまだ決めていません。

 

医学部とは決めたものの「ここに行きたい」という大学はありませんでした。なんせ進路を決めたのが遅かったので、オープンキャンパス等の説明会にも行っていません。だからセンター試験の結果を見て、比較的余裕のありそうなところに出願するのが無難だろうということになりました。

 

まずはそのセンター試験です。1ヶ月にも満たない中での準備と結果を振り返ります

 

  1. センター試験の比重が高い医学部
  2. 目標点
  3. 直前対策
  4. 実際の得点

センター試験の比重が高い医学部

医学部を受けることになって困ったのは、センター試験の重要性が格段に増したことです。

 

東大にセンター対策は不要

東大を受けるならばセンター対策は不要です。二次試験におけるセンター比率が20%ととても低いからです。550点満点の110点しか配点がありません。センター試験で900点取ったとしても110点。720点だったとしてもわずか22点の差しかつかないのです。それは数学の大問1問の配点くらいです。そう聞くと大きい気もしますが、それくらいは国語の記述対策を進める等、過去問に慣れることで軽くひねり出せます。

 

東大合格者のほとんどはセンター8割を切ることなどありません。対策不要で取れる点数です。センターでどんなに差がついても20点程度ならば、そこに注力するよりも二次対策をする方が圧倒的にコスパが優れています。ゆえに東大にセンター対策は不要と言えるのです。

 

高いセンター比率 

しかし医学部はそうはいきません。センター比率40%、50%台が普通で、重要度が異次元です。センター対策不要とはとても言えません。

 

東大と同じセンター比率20%が京大と東北、25%が阪大となっていますが、さすがにこの辺を受験しようなどという大それた気持ちはありませんでした。医学部受験を決めてから受験対策に時間が足りないため、あまり高望みしない方針が決まっていたからです。とはいえ、二次力にはそれなりの自信もありましたから、センター比率の高すぎないところで勝負したい気持ちもあります。30%台が理想的です。

 

ただし、基本的にはセンター比率の低い大学ほど偏差値が高い傾向なので、高望みしない方針との折り合いが難しいところでした。どちらにせよ、センター試験が重要であることに変わりはありません。

 

後期日程の挑戦権

そして何より、医学部には後期日程を考慮する必要があります。東大受験では考えていなかったものです。後期はセンター比率もさることながら、まずは足切りされないことが重要です。それなりの点を取らないと挑戦権さえ得られません。

 

以上のことから、やはりまずはセンター試験の対策を頑張らないとお話にならなそうです。センター試験までの約3週間はその対策1本でいかざるを得ません。

 

目標点

センター試験対策を始めた時には、本番まで1ヶ月を切っていました。そこから、問題集(駿台、河合塾、東進)を買い込んでの突貫工事です。駿台のマーク模試も急遽受けに行ったりと大忙し。

 

それらの感触から割り出したセンター試験の目標点数は以下の通りです。

 

数学

息子にとって数学はそもそも最も得意だった科目です。しかもセンターには高2時代の中だるみの影響で完全には手が回らなかった数Ⅲはありません。ここは力の出し所です。

 

実際、満点が取れる可能性もあり、落ち着いてやれれば190点はいけるでしょう。失敗しても180点を下回ることはありえませんが、もし20点落としてしまうことがあれば想定外です。

 

目標得点 200〜180

 

物理

物理は数学以上に100点を取れる確率が高い科目です。9割を下回ることがないようにすることが必須でしょう。

 

目標得点 100〜90

 

化学

一方化学の方はなかなか満点が取れなかったと言っていました。失敗すると80点くらいの可能性もあります。

 

息子としては物理よりも化学の方が好きだとのことですが、それがそのまま点数に反映されないのは残念です。

 

結局物理は点が取り易いんです。医学部でも生物選択より物理選択の学生が多いのはそれが大きいようです。物理>化学>生物の順に受験科目としての完成度が高い(範囲・やるべきことがハッキリしている)からだと考えられます。

 

目標得点 90〜80

 

英語

英語は大崩れはないでしょう。170点以下になることなかなかありませんが190点を超えることも難しい。そんな感じでした。

 

リスニングは何とか8割を死守。9割45点に達すれば御の字です。

 

目標得点

英語 190〜170

リスニング 45〜40

200点換算 188〜168 

 

倫理政経

東大理科Ⅰ類から国公立医学部受験に決めて、とりわけ大変になったのは社会です。「80点で十分」だったのが「80点は失敗」に変わりました。

 

元々センターだけの科目で本腰を入れて取り組むこともなかったので、ここで時間を取られるのは痛いところですが仕方ありません。最後の追い込みで80点を90点に乗せられるかどうか。

 

目標得点 90〜80

 

国語

最も危険な科目です。問題集では120点を取ることもあったほどです。その点が特別に運が悪かった時で通常は170点取れているならば問題ありませんが、130点台、140点台もそれぞれ何度かあります。全てを平均すれば150点くらいではないでしょうか。

 

とはいえ、突貫訓練でだんだん点数は上がってきていました。順調にいけば8割を超える力は付いています。しかしながら最終盤の練習でも150点に届かないこともあります。センター試験の正否は国語にかかっていました。

 

目標得点 170〜150

 

9割取りたい

年末に受けた駿台のマーク模試が780点で最低。そこからの集中練習で実力が上がり、年明けに高校で実施された練習では830点取れました。問題によって当然差がありますし運も左右します。

 

東大理Ⅲはもちろん京大・阪大を狙うのではないので、過去のセンターの結果から見て9割810点取れれば、ほとんどの大学でボーダーラインを下回ることはありません。多少失敗しても何とか800点を取る。これが目標となりました。

 

目標得点 810〜800

 

直前対策

直前は7割方国語に力を注いでいました。国語に全振りしたかったところですが、社会にも時間を割かないといけませんし、その他の科目もゼロにしてしまっては勘が鈍るかもしれず、精神衛生上少しずつでもやらないといけません。

 

国語で点が取れなかった一番の原因は、高3になってからの勉強量が足りていなかったことです。特に秋以降は防衛医大の過去問や模試以外で全くやっていません。理系ならある程度国語は後回しなのかもしれませんが、それにしても対策が不十分でした。

 

その国語の4分野(評論・小説・古文・漢文)で練習で比較的点数が安定していたのは古文でした。これは高2時代のスランプ時期にも続けていた音読の効果と思っています。そのおかげで地力があったのか、7割35点を下回ることもほぼなく、次第に40点以上で安定し、満点を取ることもありました。問題を解いて慣れるだけで、特別な対策はしていません。

 

漢文は学習から遠ざかっていたので、最初はうまく得点できませんでした。しかし漢文はすぐに仕上がる科目です。範囲も狭いですし、慣れてくれば点は上がっていきました。

 

課題は近代以降の文章(評論・小説)です。苦戦していました。小説などは3問ミスして6割30点程度のこともしばしば。もっと実力があると思っていたので意外でした。とはいえ実力が全くないわけではありません。5〜6本ある答えの選択肢を2択まではうまく絞り込めていました。でもそこから先が大変です。

 

正解枝と第2候補として作られた枝の差はとても小さいことがあります。第2候補枝の8〜9割は本文と合致するのに、微妙なところだけが文意に合わないことがあります。そんなときに正解枝の言い換え方がしっくりこない場合は、どちらが本当の正解か選ぶのが難しい気持ちはよくわかります。それも読解力には違いありませんが、記述とはちょっと違った能力が要求されます。

 

年末年始には国語が得意だった私と妻も、かなりの量の現代文を解きました。その結果、家族で一番伸びたのは私でした。センターの解き方をつかんだ感覚があり、満点を取れることも多くなりました。時間さえもらえればほとんど満点が取れる気がします(時間は本当に厳しいです)。現代文は生きてきた経験の多い大人の方が有利ですね。

 

おそらく私は「理論で解く派」なので向いていたのでしょう。感覚派の妻は微妙な選択肢の差がわかりづらいと言っていましたから(ただし読むのも解くスピードも速い!)。肝心の息子は、評論・小説ともに1〜2ミスくらいのレベルまでは来ていました。ただ1問の配点が大きいので、失敗するとすぐに7割程度になってしまいます(これは古文漢文にも言えます)。

 

あとは本番で運があることを祈るだけです。人生を左右するほどの運です。のるかそるか、たまには大当たりしてほしいものです。

  

実際の得点 

国語

目標 170〜150

実際 153

 

目標内の得点ではありましたが、内容が悪く残念な出来でした。古文45点と漢文42点は健闘ですから、160点は十分に超えるはずでした。

 

しかし近代以降の文章で7割にも届かない65点はひどすぎます。ことごとく2択で逆をいっていました(漢文も1問逆でした)。運も実力の内。確かにそうなんでしょうが、それならば確率的にはもう少し合ってても良いはずです。運は悪かったと言えます。

 

英語

目標 

 英語 190〜170

 リスニング 45〜40

 200点換算 188〜168 

 

実際

 英語 196

 リスニング 46

 200点換算 193.6

 

英語は目標を超えました。ここまで来たら満点も、などという欲も出ますが、9割を大きく超えたので、かなりうまくいったと言えます。大成功です。

 

倫理政経

目標 90〜80

実際 82

採点してみると、比較的基礎的なところで2問ミスしていました。目標はクリアしていますが、国語同様低い方の目標得点に近い方に近いのは残念です。

 

ここまでが1日目の科目です。自己採点はさせていません。そう決めていました。そうしておいて本当に良かったと思います。もし国語と倫政の点数を知って2日目に望んでいたら。息子の性格からしてたぶん悪影響が出ていたでしょう。

 

実は妻がこっそり早朝に国語の採点をしていました。息子を送り出した後にその話を聞いた時、絶望的な気持ちになりました。息子がいるときにその話を聞いていたならば、顔に出なかった自信がありません。妻はよく隠し切れたものです。

 

初日科目の点は気になるに決まっています。妻も我慢できなかったからこそ、つい採点してしまったのです。その気持ちはよくわかりますが、できれば本人親共に自己採点しないことをオススメします。

 

できたと思っているならいいじゃないか、という意見もあるでしょうが、もしそれで思ったほどの点でなかったときのショックは大きいでしょう。できたという気持ちだけを持って2日目に挑めば良いと思います。どうせ点は変わりませんから、前だけを向くべきです。

 

気になって気になって仕方がないという人は見ないわけにいかないでしょう。最後は悔いの残らないように自己判断するしかありません。

 

数学

目標 200〜180 

実際 195

満点取りたかったです。でもこれはうまくいったと言えます。十分です。

 

理科

目標 

 物理 100〜90

 化学 90〜80

実際 

 物理 91

 化学 82

 

まさかの両科目とも、目標の下の方の点を取ってしまいました。物理は練習で満点が多かったのでやや想定外。化学もまさかここまで低いとは。両方これでは失敗と言わざるを得ません。

 

総合

目標 810〜800

実際 795.6 

目標の800点を超えなかったので残念ながら失敗です。大失敗科目こそないものの、ギリギリ目標得点に達した科目が多すぎました。 

 

もしも国語で、逆を選んだ5問の内、その半分以下の2問の正解があったならば‥‥

センター試験は本当に人生を決める試験なのだと実感させられました。


今でもセンター試験を思い出すとあまり良い気分にはなれません。運は確かに良くありませんでした。でもその運も含めての実力です。息子は“持っていなかった”のです。受け入れるしかありません。

 

ただ、周りにはセンターでことごとくうまくいったという話もありました。そんな話を聞くと神様は不公平だなと思うこともあります。センター試験に良い思い出があるご家庭が正直言って羨ましい。でもそんな不公平があるからこそ、人生は面白いと言えるのかもしれません。

 

これを書いているのは、最後のセンター試験(2020年)の前日です。人生を賭けた大一番。そうそう味わえない緊張感を楽しんでください。受験生が全力を尽くせることを祈っています。

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