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小学校  ·  2018/07/18

作文をたくさん書いて国語の基礎力をつける

息子が5才の頃から書き始めた日記。数年続けた割に特筆すべきもののなかった文章を変革させるため、本腰を入れて書かせ始めたのが小学校3年になったときでした。

 

参照:就学前の学習  

   子供の文章力が上がる基本のルール2つ

 

今回は、引き続き日記からの脱却をはかっていく過程と、たくさん書くことによって、どの程度の上達ぶりが見られるかを追っていきたいと思います。

 

 

宿題が日記のときに気をつけたこと

 

息子の小学校3年生の時に、日記を書くことが宿題として出されました。そんなわけで、書いたものを見るとどうしても日記になってしまいました。

 

とはいえ、担任の先生も特に何の指導もせずに出している宿題です。日記が作文に変わったとしても、特に文句も言われないでしょう。先生だって、「今日〜をしました。〜といっしょに遊びました。楽しかったです。また遊びたいと思いました。」がベースになった日記ばかり読まされるよりも、少しでも読んでおもしろいものの方がいいでしょうから。

 

一応気をつけたことは、プロットは一緒に考えてやったとしても、文章自体は絶対に息子に書かせたことです。一旦書き始めたら口を出さないようにしました。夏休みの宿題や読書感想文、懸賞作文によく見られますが、どう見ても大人の手が入っているものがあります。そんなものはすぐに判りそうなものですが、以外と上位入賞していたりします。そんなみっともないことだけはしたくなかったので、最低限の所で口出しはやめるようにしていました。

 

それでも、完全に子供にやらせている親御さんには叱られるでしょう。構想を手伝うとはけしからん、と。そこは考え方の違いでしょう。好き勝手やらせて、立派なものをこしらえるならば口や手を出してはいけませんが、うちの息子はそんな天才要素はなかったので、こうしてみれば、という感じで助言はしました。できるだけ自分で結論に達したように誘導はしたと思います。

 

閑話休題。日記を脱却させるにはお題を絞ることです。子供に今日どんなおもしろいことがあったか聞いたときに、1時間目は算数で手を挙げて正解したとか、給食のボルシチがおいしかったとか、昼休みにやった逃走中が楽しかったとか、放課後〜君の家に遊びに行ってゲームをした、とかいろいろ話したい子もいるかもしれません。じゃあ、その中で一番おもしろかったのは、と聞けばさすがにひとつに絞るでしょう。それについて書かせます。最初は短くても構いません。

 

ここでそれに取り組み始めたころの息子の作文をお見せします。

 

朝、庭をゴミ虫みたいなものが歩いていた。気持ち悪かった。ぼくが学校に行っている間に、クモのすにひっかかったそうだ。ぼくが帰ってきたころにほうたいをまいたミイラみたいになっていた。ぼくはそのしゅんかんを見たかった。どうしてぼくがいる時にやってくれないのかと言いたくなった。

 

いかがでしょう。下手ですね。まずゴミ虫についての描写が欲しいところです。「気持ち悪かった」も陳腐です。ほめられるのは「ミイラみたい」という表現のおもしろさくらいです。そこももう少し丁寧に、大きさとかクモはいたのかとか、書いてもらいたかったです。締めの文は及第点ですね。

 

でもひとつの出来事で書こうという意図は見られます。最初はこんなものでしょう。数をこなして慣れてくれば、自然と良い作文も書けるようになります。

 

私の作文への評価は厳しめかもしれませんが、もちろん息子にはきつい言い方はしません。基本ほめます。ほめた後、ここをもっと詳しく書けばもっと伝わるよ、くらいのことを指摘します。息子はほめられたと思っているので上機嫌です。

 

今なら、作文を打ち込んで電子化し、のちに息子に読ませてリライトさせます。絶対に力が伸びると思います。

 

多作のススメ

私も毎回毎回学校の宿題をチェックしたりしませんから、すぐに日記風に戻ったりしました。それでもたまに、私に言われたことを思い出したりするんでしょう。出来事を絞ったり、日記の中でも描写を細かく書いたりしました。そうやってたくさん書いていくことで、息子の作文の力も上がっていきました。

 

しばしば、量が質に転化すると言われますが、それはおおむね真実です。惰性で何の工夫もなく量をこなしてもダメでしょうが、毎回気をつけながら積み重ねたならば、少しずつ確実に質が伴ってきます。

 

その証拠として作文を2つ挙げます。同じ題材を扱っていて、最初のものは小3、次は小5で2年の違いがあります。それらを比べてみましょう。

 

夜七時三十分ごろ、死んだおじいちゃんのむかえ火をやった。まずチラシと水を用意した。そして、馬の人形とライターもそろえた。ふつうなら、なすときゅうりにわりばしやようじをさす。でも、家にはないので、馬の人形にした。

 

「パシッ、ボーッ。」

 

ライターに火をつけた。そしてチラシに火をうつした。チラシはすごい勢いで燃えていった。二分ほどたつと、燃えつきてきたので、水をかけた。むかえ火は三分で終わった。

 

特別おもしろさはないですが、短い時間の出来事を描写しようという意思は感じられる作品です。これはこれで、小3としては上出来だと思っています。次はこの2年後の作文です。

 

夜、すぐ近くのおばあちゃんちへ行った。亡くなったおじいちゃんの迎え火をするためだ。夕方風が強かった。おばあちゃんちに到着するとベランダに出た。風はまだふいている。

 

水と馬のかざり、それにおがら5本を小さく割ったものを用意した。おがらというのは、あさの皮をはいだ茎だ。迎え火によく使われる。

 

強かった風がやんだ。火をつける。全てのおがらをたいた。しかしなかなか燃えなかった。

 

急におがらが燃えだした。ぱっと明るくなりびくっとした。少し火花が飛んだ。だんだん火が弱くなってきた。そして火が消えた。おがらだけが真っ赤だった。そんな時が長く続いた。水をかけるとシュウシュウとを立てて黒くなっていった。

 

先ほどまでの明るさがうそのように暗くなった。そしてパチパチという音がとだえて静かになった。いつの間にかまた風がふいていた。

 

いかがでしょうか。表現力がかなり向上していることがわかります。場面が思い浮かべられるように細かく描写できています。風の移り変わりに焦点を当てているところは、迎え火の何となく厳かな雰囲気が感じられ、下手な心情を書くよりも、しみじみと伝わってくるものがあります。風の表現は意図したとのことでした。

 

この2年間でだいたい600本くらいの作文を書いています。量を重ねれば、それなりの成果が表れることは確実と言えるくらいの成長が読みとれる文章の変遷でした。

 

 

最後に

 

作文を書いていれば国語力がすぐに身につくわけではありません。しかし、人に何かを伝えようと頭をひねることは、書かれていることから筆者の主張を読み解くことと表裏の関係ですから、いつの間にか読解力の基礎となってくれるはずです。

 

語彙も増えるし、活字に抵抗もなくなります。国語の土台の部分は文章を書くことで確実に築いていけます。土台がしっかりしてから問題をやれば、比較的すぐに国語の点数は伸びるでしょう。

 

また、発信することはこれからの時代に必要不可欠な能力です。AIの発達が見込まれている現代、コミュニケーション能力を鍛えるのに、他人に伝えることを前提として書く文章は最適です。

 

地頭の良さにつながる作文。書かない手はありません。

 

ここまで読んでいただきましてありがとうございました。

 

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