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小学校  ·  2018/06/20

算数文章題に必要な能力

 

これまでに私のブログを読んでくださっている方はご存知だろうと思いますが、私は子供の頃から、算数・数学がずっとできませんでした。親によって余計に苦手だと思わされた面もあるにせよ、算数・数学ができたことは一度もありません。小学校の算数は除きますよ。あれができないと、さすがに中学受験は無理なので。

 

それが、息子に全く教えてやれないのではまずいと思い、小学校低学年の時に予習をしてみたところ、ほとんどの問題が解けるようになっていたのです。その時点で算数は20年以上見たこともありません。できなかった人間が特に勉強もしていないのにできるようになった。大人になったということを差し引いても、この原因がわかれば、子供が算数をできるようになるヒントが隠されていると思います。それを私なりに分析し、ある程度はっきりした答えに行き着くことができたので、この機会にまとめてみました。

  

算数にも分野があって大きく分けると、文章題、図形、数の分野があります。今回は文章題に焦点を当てて書きます。


インデックス

方程式じゃないですよ

国語力が算数文章題を解く近道

 ・問題を読むようになった

 ・問題をよく読まないのはどうして? 

 ・要するにどういうことなのかがわかるようになった

文章題はイメージする力があると断然有利

 ・算数は数学に比べて覚えることが少ない

 ・具体性があるから全体像をイメージしやすい

 ・イメージするには記憶力も必要

まとめ

 


方程式じゃないですよ

 

中学入試の算数文章題に挑もうとするとき、中学受験経験者ではない人の多くは方程式を作ろうとします。数学を学んでいるのだから不思議ではないですね。私も、中学で方程式を習ったとき、あの受験の時の苦労は何だったのか、と衝撃を受けた記憶があります。事実、当時の算数文章題の大半は方程式で解くことができたのです。

 

では近年の問題はどうかというと、中堅校以下では相変わらず方程式ができれば解けるような問題も多いです。ところが上位校に目を向けると、状況は変わります。方程式を使うとかえって時間がかかる問題や、そもそも方程式で解くには適していない問題が大半を占めるようになります。

 

 

これまで中学受験では方程式や三平方の定理など、数学で習う範囲は御法度と考えられてきました。おそらく今もそう考えられている人はいると思いますし、大手塾や算数雑誌でも数学は範囲外です。ところが実際の入試では、方程式を知っていても必ずしも有利とはいえない問題が揃っています。これは逆に言えば、方程式などの数学の知識があればどうぞ使って下さいということでしょう。そもそも、数学範囲の高度なことができるのに使ってはいけない、というのは違和感がりました。

私の考えでは、方程式を使って解ける問題を出している学校は、どうぞ使ってください、数学先取りしている子は是非欲しいです、ということです。そして方程式を使いづらい、または役に立たない問題を出す学校は、使っても構わないけれど楽にはならないよ、そういう技ではなくて考え方を持っているかを試したいんだよ、ということだと思います。

 

 

私は一応中学受験出身だし、昔と違って方程式は使えないらしい、と知っていたので、それを使おうという意識は最初からありませんでした。そういう事情をご存知でない方もいらっしゃるだろうと思うので、念のため、方程式は使ってないということをまず書きました。

 

国語力が算数文章題を解く近道

 

・問題を読むようになった

私が算数文章題を解けるようになった一番の理由。それは問題をきちんと読むようになったことです。そんなことかとちょっと拍子抜けしてしまいますね。でもこれが何よりも大事なんです。

 

算数の文章題には、複雑なものや算数独特の聞き方をしているものが少なくありません。それに対して一体何を求められているのかが分からない、ということがなくなりました。問題の意味が分からない。こんな当たり前のことができない小学生はおそらくたくさんいることでしょう。つまり、できないのは算数ではなく国語だった、ということです。

 

 

文章題ができない一番の原因は問題を読まないことです。これがなかなかに深刻な話です。読解力とかそこまでの話ではなく、単純に書いている意味を読み取れないからです。主張を見つけるとか、登場人物を整理するとか、心情を読むとか関係なし。純粋に書いてあることをその通りに理解するだけなのですが、それができない。私も昔はそうだったのでしょう。そこが改善されるだけで、解ける問題は格段に増えます。

 

・問題をよく読まないのはどうして?

そもそも問題をよく読まないというのは不思議なことです。自分が何をしたら良いのか、どこにいるのか見失ってしまいます。それでは正しい答えに行き着く可能性が少なくなるのは必然です。

 

これはおそらく小学校の算数の教え方に問題があると思います。学校の算数の問題を思い浮かべてください。手元にある人は見てください。問題があってその下に(式)と書いてあり、右下に(答え)という配列が普通です。この(式)が曲者。多くの小学生は、算数は式を作る科目と思っているはずです。そのため、まず問題を見ると、これが何の単元なのかを割り出します。足し算の問題なのか、かけ算の問題なのかを探るわけです。そしてそれが分かれば、その問題にあった式を作ることに集中します。問題にある数字をいじって、適当な答えが出る式を作りあげて答えを導く。こんな寸法です。しかも、習ったばかりの単元のテストの場合、何の問題かはわかっているので、頭を使うところがさらに一つ少なくなります。これで何とかなることが多いから、問題を余計に読まなくなるのです。

これを式で書くのは難しいですね。

でも図をイメージすれば簡単です。

5人 佐藤さん 30−6=24(人)

5+11=16  佐藤さん 24−11=13

佐藤さんの後ろに13人だから

後ろから数えて14番目になる

 

・要するにどういうことなのかがわかるようになった

そこからさらに一歩進んで、この問題の意図することは要するに何か、ということが分かるようになったことが大きかったようです。つまり物事を単純化する力がついたということですね。コツは常に「要するに」を意識すること。要約する力は国語の問題では必要です。国語は元々得意だったので、それは大人になってから特に身についた力というわけではなさそうです。

 

そう考えると、国語ができれば算数ができないというのはおかしな話です。算数ができて国語ができないことはあり得ますけど。算数は問題が読めればいいですけど、国語はそれだけでは足りないですからね。いや、厳密に言えば国語も問題が読めればできますね。「読める」のレベルが少々高いだけで。

 

文章題はイメージする力があると断然有利

 

・算数は数学に比べて覚えることが少ない

世の中に出回っている受験向けの参考書や問題集には、和差算、旅人算のように「~算』ごとに分類されています。あたかも別の単元であるかのように。でも算数文章題は、大雑把に言って四則計算ができて、割合と速さがわかれば解けます。本来算数は図形や数の分野を含めても覚えることがそんなに多くありません。よって、細かく分類する必要などなく、負の数、虚数、微積分などの覚えるべき概念がたくさん必要な数学とは大きく違います。

・具体性があるから全体像をイメージしやすい 

そしてもう1つ算数が数学と違うことは、具体性があるということです。XYの平面だったり、それにZ軸が加わって抽象化された空間が主な舞台の数学と違って、具体的であるがゆえに実際の人や物を使った絵が描きやすい。全体像を描きやすいので、あとはそれを式や言葉で表現するだけ。だから算数をできるようになるにはイメージ力を鍛えると良いのです。

 

イメージする力も、国語で重宝される力です。活字を読んでよく理解するには、読んでいる場面を映像化して頭に映すことです。読書することは国語の力を上げるだけではなく、算数にも役立つわけです。だから算数においてイメージ力をつけるには、一目で式や答えが解るような簡単な問題でも、必ず頭の中で絵を描いてみることです。(難しい問題ならなおさら。)これができるようになっていたことで、文章題についてはほとんど対処できました。

  

イメージといっても、何でもかんでも線分図や面積図といった受験生御用達の図にあてはめようとするのは好きではありません。それでも数字をいじっているだけよりはずっとマシですが、何だか違和感を感じてしまいます。あれらの図は日常とかけ離れているというか、抽象的で数学の座標寄りの存在です。イメージはより鮮明であったり、時にはポップなマンガ的なものだったり、楽しいと感じるものがいいと思います。具体的なイメージをできるようになった後で線分図や面積図を使いこなすのは賛成ですが、最初からそれに当てはまるのはオススメしません。

 

・イメージするには記憶力も必要

問題が複雑になると全体像も大きくなります。条件も増えるし問題自体が長くなってきます。そうなると、一気に全体を見ることは容易ではありません。条件を解決しながら問題を短くしていくか、条件には手をつけず、条件1、条件2…と整理ながら全体像を探るか、その折衷策になるでしょう。どの方法を採るにしても、ごちゃごちゃしたものを整える能力が必要になります。いわゆるワーキングメモリと呼ばれる短期記憶が必要になってくるのです。ワーキングメモリは、頭の中の机が広い狭いで表現されることが多いですね。

 

私が文章題を解けるようになったのはそのワーキングメモリの容量が子供の時に比べて大きくなったからと考えられます。容量が小さい場合には、手を動かして条件を解決しながらその都度書いていく方法が一番採られていると思います。しかし紙に書く時に一回で決まるなら良いですが、試行錯誤しないといけない場合には、とっ散らかって紙が汚くなる、書くスペースが足りない、などの問題が起きがちです。その点、頭の中なら要らないものを消せば良いですからスッキリしたものです。

  

小学生はメモリの容量が小さいので、式が2本以上になるとできなくなる子が出始め、それ以上になるとお手上げという状態になってしまう子がいます。これが文章題になるとできないという子供です。対策には、ワーキングメモリを増量するのが一番優秀だと思います。

 

そのためには記憶力を伸ばす必要がありますが、その方法として、例えば日本地図を都道府県を覚えると同時に、47個の容れ物として白地図を使う記憶法があります。他にもたくさんの「容れ物」があります。その「容れ物」を覚えていくことでワーキングメモリも増やすことが可能です。その記憶法はそのうち改めてじっくりやりたいと思います。

 

まとめ

 

ちょっとごちゃごちゃしたので整理すると、

  • 問題をよく読む
  • 要約する
  • 全体像をイメージする
  • ワーキングメモリを大きくする

これらが私が大人になって算数文章題ができるようになった要因であると同時に、子供が鍛えるべき能力ということになります。

  

算数の残りの、図形と数の分野については近々書きたいと思います。

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作文をたくさん書いて国語の基礎力をつける(次の記事)

 

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