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小学校  ·  2018/07/02

子供の文章力が上がる基本のルール2つ

こんにちは。大崎です。

 

2020年から導入される大学入試の新テストでは記述式問題が出題されます。また、SNSの発達により、自分を発信していく機会が増加しており、今後さらに加速すると思われます。そして来るべきAI社会では、生身の人間に要求されることは対人関係の力、いわゆるコミュニケーション能力です。それには自分の考えを相手に伝えるだけでなく、相手の意図も読み取れるようにならないといけません。

 

これらの事柄に対応して行くには、文章を書く力が欠かせません。その割に、文章の書き方をきちんと教えてくれるところは、学校は言わずもがな、塾でもなかなかありません。大学入試の小論文講座まで待っていては遅すぎます。もっと早くから根本的な文章力を身につけておく必要があるのです。

 

我が家では、息子が小学校に上がる前に日記を書かせました。日記といっても何をしたかだけが記されている最低限度のものでした。

参照:就学前の学習 

そのときの目的は2つ。字を書く練習と書く習慣をつけることでした。

 

そこから進んで小学生になってからは、少しずつ書く内容の向上を図っていくことになります。

 

今回はその第一段階。基本的なルールを2つ紹介し、それに基づいて息子が実際に書いたものを見ていただきながら進めていきます。例として出される作文は通常立派なものが多いですが、息子のものは大したことがありません。見本にはならないかもしれませんが、その分簡単に真似できます。そしてすぐにそれ以上のものが書けるようになるでしょう。

 

息子には文章を載せる許可を得ています。固有名詞は適当に変更していますが、文字等そのままの形で書いています。


インデックス

 

常体で書く

思ったことをそのまま書かない

実例

読み返しとリライトのススメ

まとめ

 


常体で書く

 

常体とは語尾が「〜だ」「〜である」が多い文章です。断定的なため、主張を展開する論文系の文章に適しています。語尾が短くて読みやすく、変化をつけることもできて単調にならないところが個人的に気に入っています。文章が堅くて偉そうに感じる人がいるのが欠点でしょうか。

 

一方敬体は「ですます調」です。丁寧に語りかけるような文体なので、読者が受け入れやすい特長があります。その反面、語尾のバリエーションが少なくい上に長くなるので、やや冗長に感じます。

 

息子には最初から常体で書くように指導してきました。常体と敬体を比べたときに、大人っぽく見られるのは断然常体だからです。

 

大人の常体は偉そうで不快という方が多いのはわかります。ブログを見てください。大多数が敬体です。それはブログの場合、読者はお客様だからです。客が自ら足を運んで読みにいく文章がえらそうだったり、説教されていると感じたら、なかなか再び帰ってきてはくれないですよね。

 

それに対して子供の常体はどうでしょう。読む人は先生であったり、試験官だったり。同級生が読むこともありますが、想定される読者はほぼ大人です。大人はしっかりした子供が好きです。挨拶ができる子が必要以上に高評価なことを見てもわかります。だから常体で書く子は確実に評価が高くなります。

 

目を引きやすいとも言えます。敬体と違って常体は、教えられないとやらないので少数派です。絶対数が少なくて一目置かれやすい文章の方が多少なりとも印象に残りやすいです。

 

敬体の欠点として、語尾が同じで冗長になりやすいというものを挙げましたが、文章が未熟な子供が書くとその欠点が増幅されます。それならば、子供の場合は偉そうだという欠点が問題になりにくい常体の方が有利です。

 

何よりも子供の文章は子供っぽいです。子供が敬体で語りかけるように書いてしまうと、大人から見れば、好意的に言っても可愛らしく、厳しく言えば幼稚に感じてしまいます。それならば、多少偉そうに見える鎧をまとった常体で書く方が、少しでも大人っぽく見えて良いのではないでしょうか。

 

以上の理由で、子供はまず常体で書くべきと考えます。それでたくさん書いて慣れて、その上で自分の判断から敬体を選ぶことは自由です。

思ったことをそのまま書かない

 

作文の書き方がわからない子供に対する指導方法に、自分の気持ちをそのまま書きなさい、というものがあります。

 

その指導を守ると量産されるのが、出来事を書いて「楽しかったです」とか「うれしかったです」の感想を添える作文です。

 

子供に罪はありません。言われた通りに書いているのですから。しかし、大人の方も指導した責任があると言えども、この作文を読まされるのはなかなかの苦痛だと思います。

 

結局悪かったのは、気持ちをそのまま書くという方法です。そもそも「楽しかった」という言葉は大変大雑把なものです。楽しさの種類、度合いにはかなりの幅がありますが、その楽しさをできるだけ正確に伝えるのが文章を書く意義と言えるでしょう。

 

100%伝えることは、違う人間である以上ほとんど不可能です。でもそれを80%、さらには90%と100%に近づけていくことが、自分を知ってもらう上で大事なことなのです。これが「楽しかった」だけではせいぜい50〜60%くらいしか読み手に伝えることができません。個性はそこから先にあると思います。

 

では、より正確に自分を伝えるためにはどうすれば良いでしょう。それには自分の体験をより細かく書き記していくことです。自分が楽しかったシチュエーションを正確にすべて描写できたとしたら、仮に感想を書かなかったとしても、読み手は、実際に体験した書き手と同じように楽しさを感じることができるはずです。

 

国語の問題でも同じです。物語の中で登場人物の心情はストレートにかかれていないことが多いです。「〜はうれしかった」と直接的には書かれていないから、背景や状況の中に織り込まれている気持ちを探っていくことになります。

 

自分が書くときもそれと同じように、思ったことをそのまま書かないようにすることで、国語力の基礎がついていきます。

 

そうは言っても今回は初級編ですから、そこまで要求するのは酷というもの。まずは状況の説明を細かく書いていくことです。気持ちを添えるならば、「楽しかった」「うれしかった」ではなく、ワクワクしたとか、心が躍ったとか、言い換える言葉を探すことが頭を使うことにつながります。そこから始めていき、たくさん数を書いていけば自然に良い文章が書けるようになると思います。

実例

 

では、ここで息子が書いた文章を見ていただきましょう。

 

 二時半からピアノのレッスンに行った。あんまり練習をしていなかったけど、思ったよりうまくひけた。

 夜ごはんに「はなやよへい」に行った。近所のレストランだ。一年生の時に同じクラスだった武田君がいた。 

 

常体で書かれていて、思ったことを直接的には書いていません。2つのルールは守っていますが、レベルは小学校低学年が書くような幼稚な文章です。これで小3はひどいですね。

 

何も教えることもなく書かせていた結果がこれです。何を主張したいのかもなく、事実が書かれているだけです。あえて言えばピアノが思ったよりうまく弾けたことなのでしょうが説明不足です。

 

こういうものを幼稚園時代から2年以上書かせてきました。それはそれで、何をしたかの記録が残って、あとから読むと楽しさも思い出されて良いものです。しかし、楽しいのは書いた本人といっしょに経験した家族くらいで、他人が読んでも全くおもしろくありません。それではダメで、これから先は読んでもらうことを意識したものに変えていくことが必要だと感じていました。

 

そこで、もっと説明を多くするように指導してから書いたのが、先ほどの文章の次の日に書いたものです。以下に記します。

 

 昼ごはんを食べた後、お父さんとお母さんとおばあちゃんと、3つの電車に乗って湯島にある旧岩崎てい庭園に行った。旧岩崎ていは明治二十九年に建てられた洋風の建物だった。てんじょうがうちの倍くらい高かったのでびっくりした。

 校庭ぐらい広い庭にカントウタンポポがあちこちに数えきれないほどさいていた。家の近くで見るタンポポとちがって、せがひくく三〜五センチメートルぐらいだった。

 上野まで歩いて山手線に乗った

 

どうでしょう。説明が増えてだいぶ読めるようになりました。伝えたいことは2本で、建物の天井が高いことと庭に咲き乱れるカントウタンポポの可憐さです。

 

作文は伝えることを1本にした方が、言いたいことを迷わず理解してもらえます。それは以降の課題にすることにしました。とりあえずこの時点では、前日の文章と比べてもかなり進歩しました。これを皮切りに単なる日記を脱却して、たくさんの作文を書いていくことになります。

読み返しとリライトのススメ

 

より良い文章を書いていくには、書いたものを読み返すことがとても有効です。

 

文章は書けば書くほど実力は付いていきます。だから、前に書いたものを読むとたくさん直したいところも出てくるはずです。

 

先ほどの文章だと、前段の「びっくりした」は少々陳腐で、無くても良いくらいだとわかるでしょう。「見上げていたら首がつかれた」とか描写に徹する方がより伝わったと思います。

 

カントウタンポポの段落は最後に「きれいだった」とか書いていないのが良かったです。でもそこに何かを書き入れたい気もします。何を入れようか、それともそのままが良いのか。そういうことを考えるだけで、間違いなく国語力によい影響があることでしょう。

 

当時はしていなかったですが、今ならば必ず息子が書いたものをパソコンに入力して電子版を作っておくでしょう。そして、行間をたっぷり取ったものを印刷して渡し、書き直したいところを直させます。これをやっていれば、もっと地頭が良くなったのではないかと思うと残念です。これからの方にはぜひやってもらいたいです。

まとめ

作文は常体で書きましょう。子供は特にその方が何割り増しかの良い評価を受ける可能性が高くなります。

 

安易に気持ちを書いてしまうと安物の文章になってしまいます。説明を多く細かく書くことで、状況がよくわかって、ストレートに気持ちを表す必要がなくなります。

 

書いた文章は読み返すと、過去の自分の文章力を改めて推敲でき、さらに力がつきます。できればリライトしましょう。

 

 

以上、読んでくださりありがとうございました。

 

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