記憶したいことは収納場所を決め、イメージと共に覚えると忘れにくくなります。記憶術の世界で主流となっているのは場所法・位置法と呼ばれるものです。今回、ここでご紹介するのはその簡易版です。
場所法を簡単に説明します。記憶したい事項をあらかじめ準備しておいた「場所」に収納し、事項と場所を関連付けることで憶える方法です。場所を思い浮かべるイメージと共に記憶することで、思い出すことを容易にし、しかも忘れにくくなるという現時点で最強の記憶法です。
記憶競技では家の中や通学通勤の行き慣れた経路に、順に番号を振って憶えておくことが多いようです。(その例は別の機会に紹介します。)
今回は簡易版なので3つの枠で練習しましょう。3つに順番・序列が必要な場合は、左から(または上)と決めておきます。
3つの枠の基本形は個人差はあるでしょうが、こんなイメージ。
日頃よく見かける信号機の3つの色からなる枠です。並び方も信号と同じで左から順に緑黄赤です。緑は青でも良く、どちらを使っても構いません。
上下の場合はこちら
※縦の信号機は赤が一番上になってます。
こだわりがなければ、順番は左から、上から、と決めるのが良いでしょう。ただし、縦の信号機を見慣れている人なら、それに合わせた方がイメージしやすいでしょう。
この枠に覚えたい項目を収めていきます。今回は3つですから、3にまつわる受験に使える知識をいくつか用意しました。最初は人を収めていきましょう。
戦国三英傑
織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の戦国時代の三英傑。
知名度、キャラの強さ、歴史的重要性から言って、この3人が最初に納めるのに最適です。生まれた順、天下に近づいた順に左から緑黄赤に収まっていただきました。
緑 織田信長
黄 豊臣秀吉
赤 徳川家康
このイラスト(@いらすとや)は、ホトトギスのたとえと共に覚えやすくなってます。
まずはこの3人を記憶します。枠の背景の色とともに、イメージで憶えましょう。
ルネサンス三大発明
人に続いて物を収納しましょう。
緑 火薬
黄 羅針盤(らしんばん)
赤 活版印刷(かっぱんいんさつ)
枠に収めるだけだったらこう↑
既に戦国三英傑を記憶しているので、それとからめて覚えるのが有効で、フックがさらに増えて思い出しやすくなります。
こんな感じ↓
からめるといっても同じ枠に入れるだけです。同じところに収まっているだけで立派な記憶のフックになります。せいぜい三英傑にその物を持たせたり、使わせたりする程度のイメージで十分です。
日本国憲法の三大原則
最後に人でも物でもない概念を収納します。基本的には字面のまま枠に収めます。
概念はイメージするのが子供には難しいものです。言葉の意味もピンと来ないこともあるでしょう。年齢が上がれば自然と理解できるようになるものですし、イメージも湧くようになります。無理にイメージする必要はありません。
イメージできるようになるまでは、字面のままで枠に収めておけばよく、それでも十分に記憶できます。
緑 国民主権
黄 基本的人権の尊重
赤 平和主義
その他
三筆 三蹟
徳川御三家 江戸幕府三代改革 江戸時代三代飢饉
維新3傑
三大珍味
音の三要素(大きさ高さ音色)
熱の伝わり方(伝導対流放射)
発芽条件(水空気適温)
等々、記憶するものが増えれば増えるほどフックが増えて、芋づる式に思い出しやすくなります。
日常生活への応用
牛乳を買う、提出物の期限、荷物が届く時間、のような日常の些細なことてメモを取るまでもないことでも使えます。
たくさん収納することで、記憶力が伸びるのみならず、イメージ力がアップするこの「場所法」簡易版。ぜひとも試してみてください。枠はまだ3つですが、徐々に多くしていきます。
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