今回は医学部高学年時の勉強、具体的にはCBT・国試に向けた勉強法を簡単に説明し、それに対する私の疑問点・感想をお話ししたいと思います。
医学生の勉強
医学部の勉強といえば医学専門書を読んで自分で調べるものだと思ってました。実際昔の医学生はそのようなやり方が多かったようです。でも今ではそんなやり方は時代遅れ。苦労が少なくできるような教材がそろっています。ざっくり紹介します。
QBクエスチョンバンク
勉強の中心となる過去問題集。本もありますがスマホやパソコンでやる方が一般的なようです。大学内の登録している学生(ほとんどがしている)の進捗具合や正答率がリアルタイムでわかるところが今っぽい特長です。
イヤーノート
これを完璧に覚えれば国試で満点レベルに到達するという教科書的なものです。辞書のように使うのが適切と思いますが、ただでさえ分厚いこの本を付箋やメモを貼り付けて更に分厚くして使っている猛者もいます。効率は劣ると思いますが、そこまでできる人なら国試は軽々でしょう。
レビューブック
要点がまとめられている参考書に当たるものです。私ならこれを読み込みます。柱にして、より深めたいときはイヤーノートに行きます。
ビデオ教材
ふた昔前のビデオ全○巻、ひと昔前のDVD○枚組と違って分量が桁違い。何十時間分も観ることができます。だからコスパはすごくいいと思います。
息子もこれをやってます。1回目は倍速。2回目(理解が乏しいところ)は3倍速だそうです。
ただ私ならビデオは買いません。理由は2つ。まず2倍速であっても紙を読む方が速いというのがひとつ。そして自分で読んで理解する方が長く記憶が残り、結局速いというのがふたつ目の理由です。
もちろんビデオには良いところがあって、受け身でも学習を進めることができます。この点は人によってはとても大きな利点となるでしょう。
いつまでも便利な教材はない
心配なのは国家試験が済んで医師になった後、今の学生たちはきちんと自分で勉強できるのかということです。医師は一生勉強でしょう。日進月歩の医療の世界、常に知識のアップデートが必要です。
人数が多く、同じ試験に取り組む医学生相手だから教材を作る人もいます。しかし、医師相手に細分化された専門的な分野となると、労力に見合うような教材制作は困難でしょう。自らが医学界を引っ張っていく可能性だってあります。教えられる人はいません。
だから自分で専門書や論文を読まないといけない機会は多くなります。教材が何でも与えられている今の至れり尽くせりの環境に慣れきった今の学生、というかうちの息子にそんなことができるのか不安というのが本音です。
医学生は他学部の大学生に比べて勉強しないといけないのは確かだと思いますが、多くは与えられる勉強で、自ら問題を見つけ考察を加えていくことには慣れていません。高校までの勉強と大差ないと言えます。分量は多くなってますけれども。
基礎学力の高い集団だから鍛えればできるのでしょうが、必要に迫られなければ人間なかなかやりません。たいして勉強してなさそうな医師っていますよね。そういう医師がいるのも仕方ないことです。まあ、社会に出た後に勉強しないといけないのは医師に限ったことではないですが。
医学生あるいは医学部を志す人は、勉強しやすい環境が整っていることを理解して、少しでも能動的に勉強するよう意識するのが良いですね。
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