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中学・高校  ·  2020/10/16

【お薦め本】「東大の国語力」で読解力UP

息子の使った参考書や問題集を紹介してほしいというご要望をいただくことがあります。折好く、リモート講義で家にいる息子に聞いてみました。

 

そうしたら、学校で支給されたもの、Amazon等ネットの評判の良いもの(中には私が探しのものも)ばかりで、これしかない、というような魔法の参考書はほとんどなかったという反応です。

 

それでも、あえて言えばこの一冊、と言っていたのが「東大の国語力」川渕圭一 イースト・プレス です。

 

元々は私が本屋で見つけ、ざっくり立ち読みし、気に入って購入した本です。あまりメジャーな本ではなく、ネットでの書評もあまり芳しいものではありません。それなのになぜ、息子がこれをイチ押したのでしょう。それでは本の内容を説明していきます。

 

問題が古い

今年から共通テストが始まりますが、前身のセンター試験のさらに前、共通一次試験もまだ導入されていない1970年代の東大一次試験の現代文からの出題です。この本が出版された時点で約30〜40年前。今からだと40〜50年前だと考えるとその古さがわかります。私の生まれた年の問題もあります。

 

そんな古い問題が役に立つのかという疑問はもっともですが、ご安心ください。私も息子も取り組みましたが、50年前だからといって特に変化しているところはありません。

 

そもそも読解力は物事の本質をとらえる力で、時代の違いでそうそう変わるものではないはずです。100年以上前の明治の文豪の作品だって、時々風習や常識が変わっているところがあるにせよ、物語の核になる心を揺さぶる部分は変わっておらず、今でも読み継がれているのがその証拠です。

 

全部で12問出題されていますが、どれも名文で格調高く、東大の矜持を感じさせられます。

 

本の形式

医師で作家でもあるおじさんと、浪人生の甥シゲルが、国語(論説文)の問題を解き、その解答を2人で検討していく、というのが基本スタイルです。読者は3人目としてそこに加わる感覚で読み進めていけます(個人の感想です)。

 

著者の川渕圭一氏も医師で作家です。おじさんのモデルはご自身でしょう。年齢的に東大一次試験最後の世代で、受験生時代に取り組んだ問題だったんですね。シゲルは国語が苦手な浪人生という設定ですが、結構読めていて、国語苦手とまではいかないだろ、という印象。

 

解答の解説は決して詳しくなく、良く言えば端的、悪く言えば説明不足です。その点において好き嫌いは分かれます。私は、とことん読み込んだ文章の解説は短くても良いと思いますし、おじさんの意見と一致することが多かったので、特に不都合は感じませんでした。

 

不完全な問題もある

センター試験はよく練られていて、答えがきちんと定まっています。少なくとも、プロの予備校教師が解けば満点が取れるように出来ていて、解説を読めば納得できるような仕上がりになっています。

 

対照的に、東大一次試験には出題者の意図が読めないものもありました。東大は難問奇問が多いとの批判を受けて共通一次が始まることになった、と嘘か実か、そう聞いています。収録の問題にも、答えがはっきりしないものがあります。案外この国語が直接的な原因だったんじゃないかと思ってしまいます。

 

でも大丈夫です。おじさんもその設問にはよくわからないという意見を述べていますから。そういうところもこの本に好感を持った理由のひとつでした。

 

読解力をつけることが目的ですから、題意がわからないというのも、精一杯の読解努力の結果ならアリでしょう。しかしこれは意見の分かれるところで、はっきりしないのが嫌な人はいて当然です。

 

使い方

時間制限を設けず、納得がいくまで読み込んでから設問に取り組みます。この時間無制限は私が当ブログで何度か主張していることですが、この本でもそのやり方を推奨しています。読解力をつけるにはその方法が間違いなく効果があります。

 

即効性がある

息子が、この本のどこが気に入ったかというと、即効性があることだと言います。使っていたのは中3から高1のときだったはずです。この頃の実力試験や模試の前、この本の問題に取り組むと、すぐに効果が出て好成績を出せたそうです。

 

即効性があるのかどうか真偽のほどはハッキリしません。でもわかるような気もします。私が文章の理解度を自分の中で限界まで読み込んだ問題を解いた後、なんだか頭が冴えているような感覚を覚えます。その状態ならどんな問題でもできる気がするでしょう。それを即効性と言っているのかもしれません。

 

即効性はともかく、読解力がつくのは疑いのない事実です。1問やって頭が冴えるのですから、12問全部と向き合えば目に見えて国語の成績が上がるのではないでしょうか。


ところが「東大の国語力」残念ながら絶版のようです。Amazonで検索しても中古しか出てきません。でも大丈夫です。見つけました。「小説 東大過去問・現代文」(文庫ぎんが堂)と名を変えて出版されています。名前が違う上に、頭に「小説」とついているのですから、なかなか気がつきませんでした。

 

最近、Kindle Unlimited 読み放題 に入ったのですが、そこでラインナップに入っていたんです。さっそく読んでみると、「東大の国語力」そのもの。タイトル以外に違いがわかりません。ということで安心してオススメできます。

しかし、純粋な問題集じゃないとは思っていましたが、まさか小説とは。オススメの参考書・問題集というリクエストだったのに、ちょっと違うかもしれません。ごめんなさい。この本ほどオススメではないらしいですけど、使った参考書等で良ければまとめておくと息子が言ってくれてますから、近々上げられればと思います。

tagPlaceholderカテゴリ: 国語, 2020年10月

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