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中学受験  ·  2018/09/22

続・受験本番 精神疲弊の情けない親

 

前回は思い出すのも辛くなる2月3日の2校の不合格までを振り返りました。今回はそれ以降受験終了までを回顧していきます。

 

インデックス

2月3日の夜

2月4日

中学受験終了

2月3日の夜

 

2校の不合格が明らかになって帰宅した後、夕食を食べながら家族でいろいろと話はしたんでしょうけれども、内容は全く覚えていません。たぶんまだ受験校が残っているのだから、明日からまた頑張ろうというようなことを言ったのでしょう。一旦は家族みんなで落ち込みましたが、いつまでも引きずらないように、前を向いて行こうと話したはずです。そして明日に備え、息子に寝るように促しました。

 

息子が寝た後は、いろいろなことをうだうだと考えました。ここから悩んだことは結構覚えています。そのときのくだらない思考をいくつか挙げていきます。

 

・「もう受かるところはないだろう」

息子に対しては前向きな話をしたと思いますが、それは表向きのことで、本心ではもう受かるところはないだろうと覚悟を決めました。冷静に考えると、まだ合格発表がまだの学校もあれば、これから受験する学校もあります。でもそのときは本気でもう全部ダメに違いないと思いこみました。最悪の事態を想定して被害を少なくしようとする本能なのかもしれません。

 

・「塾秘伝のノウハウがないからダメだった」

塾には受験本番で力を出すための門外不出の秘伝を持っていて、それを知らずに受験するのは無謀だったんだ、という考えがわき上がってきたりもしました。実際、そういうものも塾ごとにあったりするのでしょうが、合否を決定づけるまでの効力はないでしょう。でも最後の一押しにはなり得ます。その一押しのためにみんな塾に行くんだ、と大まじめに信じこみました。

 

お試し受験もその秘伝のひとつで、これを怠ると肝心の本番で実力が発揮できないのだとも考えました。もっとも、これに関しては秘伝でも何でもなく、合格確率を上げるために受けておいて損はないものだったと思います。そんな後悔がひっきりなしに襲ってきました。

 

・「自分が教えるなんて無理だった」

それ以前に、そもそも塾なしで受験しようとすること自体が無謀だったのだ、という方向にもバカな思考は進みます。自宅学習で良かったことはたくさんあるはずなのですが、このときにはそんなことは全て忘れてしまって、全部自分が悪い、息子の人生を台無しにしてしまった、自分にできることではなかった、などの思いが次から次へと浮かびました。

 

そのように、マイナス思考がさらなるマイナス思考を呼び、負のスパイラルとなってどんどん気分は沈んでいきました。

 

そんなろくでもない精神状態の中、不合格が判る直前に受けていた3日校の答え合わせはしておこうと手を着けました。でもそんな状態なのでなかなか頭が働きません。息子もこんな状態で試験を受けていたんじゃないかな、などやはりとことん悲観的です。だからこそ、悪いところばかり目に付きます。まちがえてる。またまちがえてる。ミスしたことしか頭に残りません。もう受からないだろうという考えに支配されていますから、やっぱりダメだったかと思ってしまいます。

 

しかし、これは後から冷静になってから気付いたことなのですが、2日校の自己採点の時と違ってミスは軽微になっており、数も減っていました。マイナス思考の中では全然分からなかっただけで、実は試験にも慣れてきて次第に実力が発揮され始めていたのです。

 

 

2月4日

 

4日校は合格ゼロの状態で受験することになってしまいました。この日は私が朝から同行しました。

 

我が家では最初から願書を出していましたが、昨日の息子のように予期せぬ不合格に見舞われて、急遽出願して受けに来る家族もたくさんいるはずです。数年前にこんな受験体験記を読んだことを思い出しました。

 

「第一志望の不合格を受け、予定外の出願をして来たであろう親子を受験に向かうバスの中で見かけました。父親が「この中学でもいいじゃないか、頑張れよ。」と言っています。そのとき、私を含めバスに居合わせた多くの保護者や受験生はこう思ったでしょう。「この中学でもいい」じゃなくて「この中学がいいんだ。」と。

 

だいたい上記のような内容でした。この時の私には「この中学でもいい」といった父親の気持ちも「この中学がいい」と思った保護者らの気持ちもどちらも何だかよく分かる気がしました。その父親にしてみれば、第一志望に本当に予想外の不合格だったのでしょう。また、4日5日実施校にとって、ほとんど全て2回目3回目の試験ですから、どうしてもその学校に進学したいさせたい親子にとっては2度目3度目のチャレンジです。息子とはちょっと状況が違いますが、悲壮感は十分に伝わってきます。

 

現実ではそのようなことを言う父親に出会うことはありませんでした。悲壮感あふれる切羽詰まった親子を見た記憶もありません。ただそれは、周りをみる余裕がなかっただけなのかもしれません。そのときの私の心境は「でもいい」でも「がいい」でもなく「早く終わってほしい」でした。昨晩からのマイナス思考があきらめの境地に行き着いてしまったようです。

 

ただし、息子の前では決してマイナスの言葉をかけないようには気をつけていました。なぜなら、失敗するにしてもその失敗を将来の糧とするためには本気を出させる必要があるからです。その点はうまくできました。息子は、落ちると思って受けた試験はないはずです。

 

人生初の大勝負をしている息子に比べれば、息子の前で落ち込んだ姿を見せないようにするくらいは大した苦労ではありません。時間になり、緊張しているものの気合いの入った顔をした息子を送り出し、その後ろ姿を見守りました。途中で振り返り親の姿を確認しています。受験初日には極度の緊張からか、一度のこちらを見ることなく校舎に入っていったのに比べると、多少の余裕が見て取れます。成長した気がして、それだけでもうれしくなりました。

 

 

中学受験終了

 

結果的に、無事合格をいただき、予定通り中高一貫校に進学することができる運びとなりました。私はもう、公立中学からどのように巻き返していくかということに意識が完全にシフトしていました。そのため、妻から合格の一報を聞いたときには、現実感がなくふわふわした気分でした。我に返るまで1週間くらいかかりました。

 

私と息子は合格掲示の瞬間を見られていません。私が中学受験をしたときには目の前で合格の瞬間に立ち会えました。それは人生を振り返ったときの貴重な1ページです。それに引き換え息子は、2度も目の前で不合格を突きつけられています。何とかリベンジしたいという気持ちは大学まで持ち越しとなりました。

 

ただし、瞬間には立ち会えなかったものの、掲示板の前で写真を残すことはできました。夕方になっていて、そろそろ掲示板を片づけるという時間でしたが、学校の事務の方が私たちが来るのを待っていてくださり、おまけにカメラのシャッターまで押していただきました。あたたかいご対応に感謝しています。結局その学校に進学することになりました。

 

残りは1校。2月6日校です。しかし無事合格が決まったことで、攻玉社算数特選は回避することにしました。

 

算数に受験勉強の大半を捧げてきたのですから、その実力を証明するには最適の試験でした。進学するかどうかは別にして、集大成として受けておくべきでした。

 

受かったけど行かなかったという学校が増えることは、第一志望に落ちてしまった息子の心の傷を少しでも和らげる効果があったのだということは、のちのち気付きました。不遜にも受けていれば受かった前提で話をしていますが、合格する能力はあったと思います。それを証明してやりたかったですね。

 

しかしこの時は、合格をもらった後とは言え、まだ私の精神がまともな状態にはなく、正常な判断ができるまでに回復していませんでした。受験の苦しさに過敏になっており、もう行く気がない学校を受けることは、真剣に受験しに行く親子を冒涜することだと完全に信じていました。多少はそういう面もありますが、そこは受ける権利を行使しても良かったと思います。息子も受けても良かったと言っていました。ちょっとだけ後悔しています。

 

かくして、精も魂も尽き果てた長い受験週間が何とか終わったのでした。


振り返ると、ひどく情けない父親の姿が目立ちます。その様子からは信じていただけないかもしれませんが、私は本来のん気なお気楽者です。自分のことでそうそう悩みません。考えても仕方ないことは考えないとか、成るように成るという主義です。それがここまで追い込まれてしまうのですから、おもしろいものですね。

 

情けない親と違い、息子は頑張ったと思います。ドン底を経験しても心が折れずに立ち向かったのですから、手前味噌ではありますが褒めてやりたいですね。

 

受験は無事終わりましたが、数々の反省点があります。そこは次回にお話ししたいと思います。

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