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中学受験  ·  2018/09/14

「国語はセンス」は本当か?

国語を象徴する本とセンスを表すひらめきの電球

 

せっかく塾なし自宅学習をするならば、塾ではやらないような方法でやりたいと考え、特に算数ではじっくり考える思考偏重と言ってもいいくらいの方針を採用しました。その結果には大変満足しています。

 

では、中学受験のもう一本の柱、国語はどうだったかというと、これについては漠然と集団の授業で実力がつくイメージが持てませんでした。国語の地力は各ご家庭での生活の中で身につくものという持論でしたから、塾でやる必要はないと考えていました。

 

そのような考えは学生の頃から持っていました。ところがその考えは息子に教えている最中にも変化していくことになります。

 

今回は私の国語に対する考え方の変遷と、息子に施した国語対策についてお話しします。

 

インデックス

昔の国語に対する認識

国語は得意科目だった

論理の衝撃

最後の最後で論理国語導入

昔の国語に対する認識

 

私の若い頃('80年代)には、国語は国語は勉強しても手応えがないとか、やっても意味がないとか思う人がたくさんいました。国語が苦手な友人も多く、よく聞いた言い訳が「センスがない」でした。国語ができるかどうかは感性によるもので勉強では身につかないと言いたいようでした。この「国語はセンス」という考えはかなり根強かった記憶があります。

 

他にも、今からすると疑問符のつく見解もちらほら見られました。例えば、作品の一部を抜き出しただけの問題を解いたところで国語力は上がらない、などという乱暴な意見を結構耳にしました。それでは作者の意図するところが読みとれない、ということのようです。

 

それを表す一例です。私が学生時代にやっていた問題集の答えに「この作者は(問題文の元ネタの)著書の他の部分で〜のような意見を述べている。だから問題文の真意は〜である。」と書いてあったことをハッキリと覚えています。今からすれば、ちょっとありえないひどい解説です。

 

また、似たような意見として、登場人物の本当の気持ちなんて、生み出した作者にしかわからない、ということもよく言われました。これも実に荒っぽい話です。作者が作品を世に送り出した時点で、作品はもう作者から離れて独立したものとなります。だから、作者が登場人物にどんな設定を作っていたとしても、それが文章の中に込められていなかったとしたら、その設定は無意味です。作者が、実は主人公はこの時こんな気持ちだったんだよ、と言ったところで、それが文章で表現できていなかったら、国語的にはその気持ちは不正解ということなのです。

 

どの作家か覚えていませんが、自分の作品が国語で出題されて、自分の考えと違う答えがつけられていて、そうなんだと感心した、と皮肉を言っていました。これについては作家がわかっていないのか、作問者が未熟だったのかは不明ですが、登場人物の真意は作者に聞けばわかる、という雰囲気を示す例と言えるでしょう。

 

そんな考えがまかりとおった時代な上に、受験者数がけた違いに多く、今とちがって落とすための試験でしたから、変てこな悪問もたくさんありました。それが有名校にも少なからず見られたため、国語ってどうやって力を付けて良いのかわからず、センスがないとできないという空気が出来上がったのだと思います。

 

 

国語は得意科目だった

 

そんな時代にあって、私や妻は国語は得点源でした。どちらも全国模試で名前を載せた経験もあり、安定していた得意科目でした。

 

同じ得意科目でも、聞いてみると国語へのアプローチの仕方はずいぶん違っていました。妻は典型的な感性で解くタイプです。妻は幼少期からかなりの読書家で、本人曰く、ガチで趣味読書と書いても恥ずかしくないとのこと。文章に慣れているからか、多少難解でも比較的すんなり入ってくるようです。そして、一読しただけでだいたい答えにたどり着きます。聞いてみると、自然とわかるとの答え。これがセンスがあるということか、と感心させられました。まれに、センスが尖り過ぎたときに飛躍した答えを出すことがあるくらいで、高い正解率でした。

 

それに対し私は、文章を理解することに注力しないと読み解けません。そして一読では難しく、2度3度読んでやっと何とかなります。だから時間との戦いになってしまいがちでした。その分、読めたものは高確率で正解にたどり着けます。後に論理による解法を知ったとき、私がやっていた方法を言葉にするとこうなるのかと目から鱗が落ちましたから、不完全ながら論理寄りの考えをしていたことになります。少なくとも感性で解いてはいませんでした。

 

この国語に対する方法の違いは、結婚するかなり前、まだつきあっている頃、何かの機会に偶然判ったことでした。たぶん、新聞に載っているセンター試験でも解いてみたのでしょう。

 

その時、感性の力を見せつけられ、やはり「国語はセンス」と思いました。だから、息子にもその能力を身につけさせるべく、読書をさせ作文を書かせてきました。そうしてセンスを養っておくことが国語を得意にする近道と考えたのです。というよりは、国語ができるようにするにはそれしか方法がない、くらいに思っていました。

 

 

論理の衝撃

 

国語の勉強法を知らないで来たものですから、本屋に行って問題集を探すときにも国語の棚にはあまり目が留まらなかったようです。ところが、ある日ふと気づきました。同じ筆者の問題集が多く並んでいることに。それが出口汪氏の論理エンジン等の問題集だったのです。

 

出口氏は大学受験の方では90年代から有名だったようですが、小学校の方に進出してきたのは2000年代半ばくらいからだったのでしょう。私は気づくのが遅れましたが、既にかなり幅を利かせていました。予備校講師が小学校まで手を延ばし、且つそれが売れるのは異例のことです。これは出口氏の学習法が明快で汎用性が高いことを示しています。

 

本棚に並ぶくらいだから人気なのだろうと早速購入して読んでみました。そのときに受けた衝撃というと大げさですが、理論が腹に落ちていく感覚は忘れられません。私がこれまで国語の問題を解くときに使っていた考え方が、わかりやすく言葉にされていたのです。もちろん私のレベルなど軽く越えて、もっと詳しく細かくルールが定められており、体系的に国語を学んでいくことができると感じられました。

 

その出口理論の一丁目一番地が「すべての設問の根拠は文中にある」です。これを知っているだけで、前に挙げた「抜き出し問題では筆者の真意は伝わらない」という考え方は、国語の問題としては間違っているということがわかります。問題文の中に答えがあるという前提で作問されているので、仮に筆者の真意が問題文以外の他の文中にあったとしても、国語の問題としては無関係ということになるからです。

 

そういう論理を提唱していた先生・講師もおそらく確実にいたはずなのですが、広めることができなければ意味がありません。教え方に特許は通常ありませんから、世の中に知らしめた人が大きな影響力を持ちます。ですから、論理をわかりやすく示して普及させた出口氏の功績は大きいと思います。

 

林修先生も論理で解く国語を教えているんですよね。こういう考え方が広まれば、悪問も減るに違いありません。国語はセンスというイメージも薄くなっていくと思いました。

  

 

最後の最後で論理国語導入

 

論理で解く国語を知ったのは恥ずかしながら遅く、息子ももう6年生でした。でも幸いなことに、センスを養う学習法(読書・作文)はそれなりに成功したようで、基本的な国語力はついていました。残り時間は少ないものの、論理の方も突貫工事で入れてやればもう一伸びあると思い、やらせることにしました。使ったのはこれです。高校受験用ですが、中学受験で使用しても問題ないレベルです。

 


 

6年秋から毎週土日を中心に家族で解き、みんなで話し合いながら解説を読んでいきました。効果はありました。模試の偏差値の推移にもそれは表れています。やる前、6年春の偏差値が55.2だったのが、秋以降に60.9→64.5と上がったこととの因果関係はたぶんあるでしょう。問題を解くことにに慣れただけではないと思います。

 

 

点が上がったのも良かったですが、家族で問題を解いた上で議論を戦わせることは、とても楽しい作業でした。こんなに楽しいなら、もっと早くから時間をかけてやっていれば、もっと考える余裕があって、より良い答えを作り上げることができたと思うと、もったいなかったなと後悔しました。


まとめ

 

  • 国語はセンスが重要で、勉強では身につかないと考えられていた。
  • センスがあると、国語は本当に楽な科目。
  • 読書・作文を地道にやることでセンスは伸びる。
  • 論理を磨くことで、国語の成績は上がる。

 

息子は論理国語をやることで、最後のひと押しになって実力を伸ばせたとは思いますが、特に作文を書くことで鍛えられたセンスの下地があったことの方が大きかったと思います。もっと早く論理学習を知っていれば、並行して導入していたかもしれませんが、作文を書くことがなかったということはありえません。論理だけとセンスだけ、どちらかを選ばなければならないなら、やはりセンスを磨く方を選びます。特に小学生の場合はそのほうがベターだと考えるからです。

 

まずセンスで答えの当たりをつけ、論理で検証する。これが理想の国語対策です。

 

 

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