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最近の話題  ·  2018/08/08

女子一律減点問題を考える

女性医師の画像

こんにちは。大崎です。

 

息子は夏休みに入って家にいることが増えたなと思っていたら、東医体というものに出かけてしまいました。東医体というのは東日本 というのが正式名称で、医学部の学生が集まって開催するスポーツ大会です。西日本では西医体が行われています。医学部生やそのご家族、熱心な医学部受験生は良くご存じでしょう。

 

うちの場合は親も子も、医学部に入ると運動部入部が標準だということを知りませんでした。それだけに、そんな風習があることに驚いています。体力作りと人脈作りが目的なんでしょうね。

 

知らない人が東医体という字面を見ると、今なら結構な割合で東医大を思い出すのではないでしょうか。文科省役人子息の裏口疑惑に続いて、女子の入試得点の一律減点問題が世間を騒がせています。この件に関しては息子としても全くの他人事ではないかもしれず、東医体に行く前に家族で話し合っています。

 

そこで今回は、この東医大に端を発する問題についての私たちの見解についてお話ししようと思います。

 

インデックス

裏口入学について

女子入試一律減点について

女医は戦力にならない?

男女平等な入試を実施すべき

医師不足を解決するには

技術革新に期待

 まとめ


裏口入学について

 

まずは裏口入学についてです。大変話題ですから良くご存知と思いますが、念のため参考ニュース記事を貼らせていただきました。

東京医科大学、裏口入学が常態化か…その驚愕の実態:大学医学部の裏口入学の闇
引用:Business Journal(2018,08,02)

裏口入学は私が学生だった頃にはよくあったと思います。現にそういう人を2人知ってもいます。私は一応地元を明かしているので、これ以上のことは書けません。もっとも地元は病院の数が多くて、代替わりしている(3代4代も?)病院はそこそこ数字に表れるくらいの率で、そういう方法を使って医師になっているでしょうから特定されることもないでしょうけれど。

 

それに高須クリニックの高須院長もご自身が「勝手口入学」であるとし、入学には便宜を計ってもらったと公言しておられるくらいですから、昔は普通にあった話だったのでしょう。

 

古い感覚では私立医大はどちらかというと学力よりも財力で入学が決まっていた印象です。実際に偏差値もそれほど高くありませんでしたし、学費も3000万以下のところなんて、慶応の他は1〜2校だったんじゃないでしょうか。5000万円超の大学もあり、医者か金持ちの息子でないととても入学できなかったと思います。

 

それが今ではどうでしょう。偏差値は下位の医大でも早慶理系のレベルになり、お金だけでは入れなくなりました。学費の方はというと、3000万円を超えていたような医大が軒並み1000万円くらい下がり、こちらの面では入りやすくなりました。その二つの効果によって、超金持ちでない普通(やや金持ち?)の家庭でも私大を狙うようになって、印象は一変しました。

 

それだけに今回の文科省の裏口疑惑には驚きました。東京医大は都心にあり立地最高の中堅私大です。国試合格率も高いです(欠席者も多いので成績悪い学生には受けさせないんですね。)。そのご子息がどの程度優遇されたかまで明らかにされました。結構な高下駄です。これは気の毒ですが退学するんでしょうか。合格無効もあり得ますね。そのまま大学に残っても白い目で見られて地獄ですし、下手したら一生言われますから、受け直した方がいいのかもしれません。やめるも地獄やめないも地獄で、辛い人生になってしまいました。今後立て直せることをお祈りします。

 

正直なところ、他の私大でも数は昔より減ったでしょうが、裏口入学はあると思います。東医大の前理事長も言っているように寄付金も欲しいでしょうし、今回は官との癒着ですから旨味も大きかったでしょう。だからバレなければ数名の裏口入学は今後もあり得ると思います。どのみち国家試験を通過しないといけないのですから、怒られるかもしれませんが私立ではあってもいいかなと個人的には考えています。ただし、国家試験だけは不正のないようにしてもらいたいです。正直言ってこちらの方が心配で、国民の健康と生命に直結しますから厳格に実施すべきです。でもこちらも政治家使ってやってそうな気がして怖いですね。

女子入試一律減点について

女子「一律減点」、フランス大使館が皮肉ツイート「皆さん、ぜひ留学に」
引用:ニコニコニュース(2018,08,03)

女医は戦力にならない?

こちらの問題の方は我が家とも無関係ではありません。現制度のまま女子の入学者が増えると、息子が医者になったときにそのあおりを受けて忙しくなる可能性があるからです。

 

私が医者はきついぞ、と何度も繰り返し言ってきたことを乗り越えて医師の道を選んだのですから、覚悟は持っているはずではありますが、親としてはそれでも、過労死などしないかと心配にはなります。

 

そもそも女子が一律減点されてまで敬遠されている理由は、医師の戦力として計算しづらい点にあります。現役で医大に入学して順調に卒業して24歳、研修2年で26歳。その後専攻医になって専門医として認められ、晴れて1人前になるとほぼ30歳です。ここから戦力として本格的に始動というところで結婚・出産の適齢期を迎えてしまうと、そこでキャリアが一時途切れてしまうことになります。

 

ブランクができてしまうと、せっかくの身に付けたスキルも鈍るでしょうし、日進月歩の医学の進歩について行くのも大変です。いったん離職すると復帰しない人が一定割合いるのは理解できます。しかも女医さんの夫は高収入な割合が高いので、無理して復職する必要性に迫られることは少ないかもしれません。再び医師として働くとしてもアルバイトだったりで当直などはしないことが多いでしょう。

 

そこで女医さんが考えることは、復帰しやすい診療科を最初から目指すことです。大変な手術がなかったり、当直を避けるため入院患者が少ない科を選ぶわけです。皮膚科、眼科が人気になるのもうなずけます。

 

「女3人で男1人分」という言葉が医学界では広く普及しているそうです。2人ではなくて3人なところがミソですね。感覚としては女性2人よりも男性1人の労働量が確実に多いと認識されていることが判ります。実はこの言葉、息子が大学の講義で実際に耳にしたそうです。それも女性の先生からです。

 

「女性の敵は女性」と言われることがあります。その先生は女性が少ない時代に医師になり、男性の中でのし上がって偉くなったのです。制度も今以上にひどかったでしょうから、おそらく犠牲にしてきたものも多いに違いありません。そんな人から見れば、年下の女医さんや女子学生の大半はまったく物足りなく映るのでしょう。しかしそれは無理からぬこと。志高く医師を目指していたとしても、貫き通すことができるのは男女の別なく一握りだけだからです。大変な環境に身を置いてくれと言われても、あえてそうしてくれる人は少数派です。期待してはいけません。目立つことを嫌う日本人には特に困難です。平均的な女医さんが働きやすいシステムにするしかないのです。

 

男女平等な入試を実施すべき

それでも私は、入試における男女差別には反対です。なぜならそれを続けていると、日本が世界から低く見られてしまうからです。参照記事のフランスの皮肉って上から目線で薄っぺらくて腹立ちますよね。

 

世界的に、いかなる弁明も聞いてもらうことが困難な事例があります。それは差別です。人種差別を筆頭に、男女差別、さらにはLGBT差別などがあります。これら差別は絶対悪でいかなる反論も許さないという風潮があるため、報道でも女性差別を全面に押し出しているように見えます。同じ差別でも多浪と再受験の年齢差別についてはたいして問題視されていないのはおもしろいところですが。

 

なぜ女性医師が休職辞職をせざるを得ないのか、病院の人材確保はどうして難しくなっているのかについてはほんの少し触れるかあるいは全く無視して、ただひたすらに問題を女性差別に落とし込んでいるのは感情的すぎてどうかと思います。

 

しかしそれは当然です。女性差別は絶対悪なのですから。これを全面に出しておけば、テレビの解説やコメンテーター程度ではそれに迎合するしかないのです。事実を言って干されては困るので、女性差別を殊更に強調するのが無難なやり過ごし方ということになるのでしょう。

 

そうであるからこそ、なおさら公平な試験を行うべきです。フランス人を始め、欧米人から未開の野蛮国家と思われることは我慢なりません。それほどに差別は言い訳の効かない問題ですから、まずは実力次第で誰でも入れる仕組みを整えることが先決です。どのみち、この先、現状2割程度の女性医師の割合はどんどん3割に向かっていきます。対策はすでに必要なのです。システム構築が急務です。

 

医師不足を解決するには

医師の人数を増やすことはどうでしょうか。今すぐに医師を増やせるなら一番良い対策になります。しかし卒業して医師になる人数は決まっていますから、それは不可能です。外国から医師を招聘すればいいのでしょうが、そんなことはあり得ません。医学部の定員増は2017年まで続きましたからしばらくは医師数も増えますが、2020年度からは定員を抑えると言われています。そもそも医師会が医師が増えることを望んでいません。文系の雄弁護士が数を増やしたことで、実力不足の弁護士が増えたことを目の当たりにした医師会が、同じ轍を踏むとは考えづらいです。

 

人数が増えないなら、現役医師にもっと働いてもらうしかありません。定年後の再雇用なども必要でしょうが、外科技術の衰え等腕の面では過度の期待はできず、体力も衰える一方であるのが普通です。やはり女性の活用しかありません。子育て後の復帰しやすい環境を整えるのはもちろん、子育て中でも働きやすいように、病院内に託児所を設けるなどの整備が不可欠です。ただでさえ待機児童問題があって大変ですが、病院側としても必要経費だと思ってもらいたいです。医師はお金を持っていますから、作ってしまえば運営は何とかなるんじゃないでしょうか。ここはお金の使いどころです。

 

医療の仕組みも変えないといけません。安心だからと言って、ただの風邪で大学病院等の大病院に行くのは控えるようにする必要があります。まずは地元のクリニック等かかりつけ医に行くようにすれば、大病院の忙しさも減少するはずです。患者の割り振りをして、数を均等にしていくことが今後の課題のひとつです。どこの病院にもかかれるフリーアクセスの利便性が減っても、医療の永続性の方が重要だと個人的には思います。

 

技術革新に期待

医師と教師はAIが出てきても生き残れると言われています。でも私は、教師はともかく医師はある程度浸食されると思っています。病院に行く前にAI搭載アプリの入ったスマホに診断してもらうこと一般的になると予想しているからです。AIは医療の現場にも進出するでしょう。AI搭載の機械を操作するだけの医師も出現するようになると考えています。

 

遠隔医療ももっと普及するでしょう。スカイプやテレビ電話だけではなく、遠隔治療用キットを販売してより細かいデータを取れるようにして診察しようとする医師も出現するでしょう。そうなると、現場で働く医師の忙しさは軽減されます。

 

医療ロボットももっと普及するでしょう。現在でも内視鏡手術の増加で、体を切ることは減っていますが、さらに進んでミリ以下の単位で動かせるロボットもすでに出現しています。ロボットと遠隔操作を組み合わせることで離れたところからの手術が可能になり、僻地でもロボットの名手による外科手術が受けられるようになるかもしれません。そうなると、医師の地域による偏在問題も少し片づく可能性があります。

 

これらの技術革新が医師の助けになってくれれば、現在と同様に女性医師は増加しているのに、現場の戦力が増えなかったとしても、今後20年は続く高齢者医療の増加は乗り切れるのではないでしょうか。

 

まとめ

  • 裏口入学は入試難易度の増した現代にはそぐわない
  • 女子差別は世界が許さない 即刻平等入試を
  • 現場で働きやすい環境を整える
  • 技術革新が医師不足を補うかもしれない

息子の話によると医学科内の成績は、男子は上から下まで均等にばらけているのに対し女子は平均よりも上くらいにボリュームゾーンがあって、あとは上にぱらぱら下にぱらぱら、という感じらしいです。平均すると女子の方が成績が良いのですね。女子学生が増えるのは当然です。いつまでも差別してはいけないのは当たり前として、どんどん医学界の中枢にも進出してもらいたいものです。

 

AI始めとする技術は、必ず医者の職業を奪いにくるという前提で我が家では話をしています。どうやって生き残るのか、AIに使われるのではなく使いこなすには何が必要か、常に考えるように言っています。現時点では答えが出ず、とりあえず勉強をしながら考えていく他ありませんが、いつも意識していれば、人より早く気がつくかもしれません。人口の多い私たち世代がこの世を去った後、生き残っていくには何か新しいことが必要だと思います。

 

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